日記的塵箱

本の紹介、雑談、エッセイを通して自分の文章力向上を目指し、今後書く小説の基盤としようと思っている早大生です。

合わない人こそ友人に

自分は友人がそこまで多く無いのですが(そして大体友達を厳選しているという言い訳をする)、一つ確信している事があります。

 

それは「自分と趣味趣向、考え方などが合わない人こそ友人になるべき」という事です。

 

人は人種国籍関係なく、往々にして群れる生き物だと考えています。

 

そして、誰と群れるかと考えたときに真っ先に浮かぶのは自分の性格に合う人ですよね。

 

それはそれで必要ですし、大切にすべきだと思いますが、それだけでは良く無いのかなと思ったりもします。

 

友人に何を求めているかにもよるでしょう。

 

退屈な時間を紛らわす「暇つぶし」的な友人や不満悩みを遠慮なく打ち明けられる「サンドバッグ」的な友人、互いにスポーツなどで切磋琢磨し合う「研磨剤」的な友人など、目的は多種多様です。

 

でも実際、上三つの目的で友人を作るならばそこまで多くの人数と友人になる必要は無いと思います。

 

せいぜい3〜4人、多くても10人程度でしょうか。

 

もっと私にとって重要な目的があるのです。

 

それは「真剣に話し合う」という事です。

 

話し合う事が大好きな私にとって友人を作るメリットはこれが可能になることに尽きます。

 

大学で言えば、他大学や他学部の友人がオススメでしょう。

 

彼らは自分とは違う環境にいて、違うことを学んでいるため、考え方も異なります。

 

そんな彼らと共に話し合い、それぞれの知識や思考を共有することがどんなに素晴らしいことか。

 

趣味も異なって良いと思います。

 

自分は絵が下手だし、食べ物もそこまでこだわっていないので、漫画家志望の友人や、食べ歩きが好きな友人と接することで彼らの知識や考え方に触れたり、思わぬ所からそれぞれにとって有益なヒントを得ることができます。

 

知識は広くて深いに越したことはないし、一番手っ取り早いのはそれに詳しい人に話を聞くことだと思います。

 

「この人とは色々合わないから」というのは自由ですが、仮にその人と一回真剣に向き合う機会が得れることで、互いに利益を受ける事もあります。

 

(趣味趣味や考え方が)合わない人こそ友人になるべきだと思います。

 

まあ、最後に誰と友人になるかは自分と相手次第ですけどね。

 

ではまた。

化け物

雷雨に見舞われながら彼は一人俯き歩いていた。

 

かつての思い出は煙の様に、未来への展望は霞の様に不明瞭に蹲っていた。

 

彼の周囲に佇む沈黙、何者をも寄せ付けぬ気を纏いながら宵はただ明けるのみの筈だった。

 

ふとあの遠くの屋敷のバルコニーに彼女の姿が見えた。

 

不安だろう、心配だろう、悲しいだろう。

 

彼女が密かに探し求めているのは今彼女を見つめている彼自身であり彼自身で無い。

 

恒久の平和への希望はまやかしに過ぎず、永遠の愛など安物の張りぼての様な物だ。

 

酷く激しかった雷雨は今では古池の水面の様である。

 

雲の合間から差し込む月光。

 

それが彼の眼に入り彼は痙攣した。

 

幸い泥の様な覚悟を固める時間は充分にあった。

 

これから先のことは彼に任せよう。

 

そう思うや否や痙攣は全身に渡り、徐々に身体を蝕んでいった。

 

微かな火種は山火事へ、全生命を焼き殺した。

 

轟轟と響く唸り声に地が共鳴し、天変地異の再来を彷彿とさせる怒りが細胞一つ一つから湧き上がる。

 

でもどうしようもない。

 

暫くして彼は大人しくなった。

 

でももう彼は彼じゃない。

 

神羅万象を睥睨する眼、鋭利な鼻、メスの様な牙、錐の様な爪、しなやかな身体、そして全身に敷き詰められた獣毛。

 

疑いようのない。

 

彼は化け物になっていたのだ。

呼吸する様に(積極的に)矛盾する

人間は矛盾が多い生き物です。

 

「さっきはああ言っていたけど、今は全く逆のことを言っている」。

 

なんて事日常茶飯事です。

 

中々自分の中に一本の揺るぎない線を引くことは出来ません。

 

昨今の人々は矛盾を酷く嫌っている様に思えてなりません。

 

自分の言った事を撤回する勇気、自分の行動を変える勇気が少なく感じます。

 

確かに政治家や商売など、他人の生活にまで影響を及ぼす矛盾はなるべくあってはなりません。

 

信頼を失うきっかけになる事もあるかもしれません。

 

ですが、私の考えですと、「そんな事殆ど誰も気にしていない」の一言に尽きます。

 

変化が激しい今日、変わるのは当たり前、前の常識が通用しなくなるのは当たり前です。

 

人々は皆時代の潮流に揉まれながら生きていて、その時その時に見えた景色を常識と捉えがちです。

 

自分でも知らない間に世間に流されているのに、いつまで自分の旧来の主義主張に拘るのでしょう。

 

コロナウィルスが発見されて間も無い頃、世間は騒ぎすぎだと言って状況を軽視していた人も多いでしょうが、今ではこの状況を軽視する人はいないと思います。

 

それでいいのです、確かに状況を軽視したせいで感染拡大を少なからず助長してしまった方も居るでしょうが、いつまでも悲観的に捉えていても状況は変わりません。

 

自分を変えればいいのです。

 

かつて事態を甘く見ていた自分を思いっきり曲げて、深刻な状態にあることを訴えかけ、状況を好転させるための活動をする自分になれば良いのです。

 

矛盾は必ずしも悪い意味ではありません。

 

今までの自分の言動が悪だと思うなら、その言動に矛盾した行動をとってもいいと思います(逆はいないと思いますが)。

 

その時に相手を納得させられるだけの説明と意志を持つことが肝要です。

 

呼吸する様に(積極的に)矛盾すること、それは適応と捉える事も不可能では無い。

 

そう思います。

 

体に気をつけて。

 

ではまた。

量産型凡人

皆さん、ビジネスに興味はありませんか?

 

私が紹介することをやっていただければ誰でも簡単に月収100万円を目指せます!

 

私もこの方法を実践していて、今までで沢山のお金を稼いで、様々な経験をさせてもらいました。

 

このチャンスを逃したら皆さんは普通に就職して、普通に人生を歩むことになってしまいます。

 

とか何とか御託を並べて誘惑するやついますね。

 

正直大嫌いです。

 

普通のどこが悪いのでしょうね、普通になりたくて日々努力している人も大勢います。

 

というより、そもそも何が普通なのでしょうね。

 

勉強して、大学入って、就職して、結婚して、子供を授かって、、、

 

こんな生活を送ることも日々困難になる中、多くの人が思い描く普通は遠く離れていくように感じます。

 

別に起業して、お金を沢山稼いでということ自体を否定する気は無いし、そっちの方が良い人生を送れるかもしれませんがね。

 

金儲け主義に走って陳腐な定型文ばかり使う人、増えましたね。

 

そっちこそ量産型の凡人なのではと錯覚するほど。

 

でも、正直な話。

 

それに憧れる自分がいる事を否定はできません。

 

ではまた。

漢検準一級( 2 )

今回は漢字検定準一級の問題で頻出の漢字(読み)を少し紹介します。

 

例によって十問ありますので自分の漢字力強化にお使いください。

 

一問目

根拠のない噂話に私は困っている

 

二問目

先日の厚遇に対してのお礼の手紙を認める

 

三問目

彼の仕事捌きには感心する

 

四問目

作物を蝕む害虫を駆除する薬を開発した

 

五問目

彼は所謂俄かファンである

 

六問目

この駅の周辺には壮麗な建築物が櫛比している

 

七問目

この時代に必要なのは情勢を見抜き把握する慧眼である

 

八問目

仕事での失敗を彌縫する策を考えた

 

九問目

一度疑惑の目を向けられると、それを払拭するのは困難である

 

十問目

暴戻な王様へのクーデターが計画される

 

いかがでしたでしょうか。

 

では回答と解説で終わります。

 

一問目

根拠のない噂話に私は殆(ほとほと)困っている

 

意味)全く・つくづく(困り果てた気持を表す)

 

二問目

先日の厚遇に対してのお礼の手紙を認める(したためる)

 

意味)書き記す

 

三問目

彼の仕事捌き(さばき)には感心する

 

意味)物事を管理したり処理する

 

四問目

作物を蝕む(むしばむ)害虫を駆除する薬を開発した

 

意味)虫に食われて損なう

 

五問目

彼は所謂俄か(にわか)ファンである

 

意味)急にその状態になる

 

六問目

この駅の周辺には壮麗な建築物が櫛比(しっぴ)している

 

意味)櫛の歯のように隙間なく並ぶ

 

七問目

この時代に必要なのは情勢を見抜き把握する慧眼(けいがん)である

 

意味)物事の本質を見抜く力

 

八問目

仕事での失敗を彌縫(びほう)する策を考えた

 

意味)失敗や欠点を取り繕う

 

九問目

一度疑惑の目を向けられると、それを払拭(ふっしょく)するのは困難である

 

意味)すっかり取り除く

 

十問目

暴戻(ぼうれい)な王様へのクーデターが計画される

 

意味)荒々しく、道理に反する行いをする様

 

以上です。

 

10問中2~3問くらい正解していれば十分だと思います。

 

それくらい難しいです。

 

ではまた。

漢検準一級

今回は漢字検定準一級で出題される漢字(読み)を紹介します。

 

問題数は10問ですので、何問あっていたかで自分の漢字力を測ってみてください。

 

では早速行きましょう。

 

一問目

その言い分は至極真っ当である。

 

二問目

彼の力量は一際んでている

 

三問目

会社というを断ち切って自由になる

 

四問目

私がテストで100点を取ったので母は頗る上機嫌だ

 

五問目

儲君としての高等教育を受ける。

 

六問目

井蛙大海を知らず。

 

七問目

湖のを眺めながら珈琲を飲む

 

八問目

旧例に泥んでばかりで一向に成長しない

 

九問目

人気の少ない山奥で長閑な灘響に耳を傾ける

 

十問目

積年の怨念をはらす

 

いかがでしたでしょうか?

 

では答え合わせと解説をつけて終わります。

 

一問目

その言い分は至極(しごく)真っ当である

 

意味)この上なく

 

二問目

彼の力量は一際擢(ぬき)んでている

 

意味)ひときわ優れている 

 

三問目

会社という柵(しがらみ)を断ち切って自由になる

 

意味)まとわりついて邪魔をするもの

 

四問目

私がテストで100点を取ったので母は頗る(すこぶる)上機嫌だ

 

意味)非常に

 

五問目

儲君(ちょくん)としての高等教育を受ける。

 

意味)皇太子・東宮

 

六問目

井蛙(せいあ)大海を知らず。

 

意味)見識が狭いこと(井の中にいるカエル)

 

七問目

湖の漣(さざなみ)を眺めながら珈琲を飲む

 

意味)海に細かくたつ波

 

八問目

旧例に泥んで(なずんで)ばかりで一向に成長しない

 

意味)執着する

 

九問目

人気の少ない山奥で長閑な灘響(だんきょう・たんきょう)に耳を傾ける

 

意味)急流の響き

 

十問目

積年の怨念(おんねん)をはらす

 

意味)恨みのこもった思い

 

以上です。

 

10問中3~4問くらいあっていれば標準くらいの実力はあるかと。

 

 

学生のバイブル?

今回は「山田悠介」という小説家について話します。

 

この方と言えば『リアル鬼ごっこ』をはじめとして、『親指探し』『スイッチを押すとき』『ブレーキ』など、数々の作品を世に送り出していて、ご存知の方も多いと思います。

 

私の家族にこの方のファンがいて、家には彼の作品が沢山置いてあるのでたまに読むのですが、やっぱり面白いんですよね。

 

では、どこが面白いのかを少し掘り下げていきます。

 

1.分かりやすい

なんと言ってもこれにつきます。

 

世の中には数多くの名著がありますが、その多くが示唆に富んだものであり、だらだらと読み進めていくだけでは話の展開が掴めなかったり、いまいちどんな話だったか分からないということもしばしばありますが、この方はそんなことはありません。

 

ですが、誤解して欲しくないのは、この方の作品が安易な訳では無いということです。

 

この方のすごい所は、社会へのメッセージを含みつつも、話の展開が理解しやすく、読み進めやすいという事です。

 

極端な話、小学生でも読み進めることが出来るでしょうし、そこから得る物もあると思います。

 

2.テーマが興味深い

この方の作品のテーマはざっくり言うと「人間シミュレーション」です。

 

リアル鬼ごっこ』や『ブレーキ』などが良い例ですが、現実世界がこうなったらという仮定の元、そこで人々はどう言う行動をとるかというのをシミュレーションするのです。

 

そこでの登場人物の心情が事細かに描写されていて、実際にこんな事があったのかと錯覚してしまいそうになる程です。

 

そんなテーマに惹かれる学生(勿論大人も)が沢山います。

 

3.残酷

これはあまり長所とは言いづらいですが、これも大きな特徴の一つです。

 

この方の作品の多くでは人が死にます。

 

かなり残酷に描写されている事が多く、読んでいて不快感を覚えることもあります。

 

でも、読み終わった後に少し安心するのです、何故ならあくまでもフィクションだから。

 

そして、あまりにも命が軽く扱われている(悪い意味で言っているのではありません)彼の作品を読むことで命の大切さと言うのを改めて実感するのです。

 

これは小説だからこそ出来る技だと思います。

 

最後にそんな彼の作品を二つ紹介して終わります。

復讐したい

復讐したい

  • 発売日: 2016/09/07
  • メディア: Prime Video
 
スイッチを押すとき (角川文庫)

スイッチを押すとき (角川文庫)

  • 作者:山田 悠介
  • 発売日: 2008/10/25
  • メディア: 文庫
 

改めて読んでみては。

 

ではまた。